「SPF50を塗っていれば、50倍長く外にいられる」
聞いたことのある日焼け止めの説明…これ、誤解していると、知らないうちに、光老化を招いているかも。
未来のシワ・たるみを防ぐために、SPFとPAの本当の意味を正しく理解しましょう。

神戸大学 医学部 医学博士 取得。
敏感肌の研究を専門とし、皮膚のバリア修復に注目した新しいスキンケア理論を開発。
日本美容皮膚科学会、セラミド研究会などに所属。
SPFとは何か?定義から確認する
え、それだけ?衝撃的な事実!

SPF30とSPF50では、紫外線を防げる量にそれほど大きな差はありません。
SPF15: 約93%をカット(約7%は肌に届く)
SPF30: 約97%をカット(約3%は肌に届く)
SPF50: 約98%をカット(約2%は肌に届く)
SPFの値が大きくなっても、透過率の差はわずかです。

え?じゃあ、SPFって何なのよー!
SPFの正確な定義
日焼け止めを塗った場合と塗らない場合で、皮膚に紅斑(赤み)を生じさせるのに必要な紫外線量の比
単位は「紫外線量」(エネルギー量 J/m²)であり、SPFは「時間」のことではありません。
つまりSPF50とは、「50倍の時間、外にいられる」という意味ではなく、「浴びる紫外線の合計量を、50分の1に減らしてくれる力」のことです。

「時間が延びる」という表現の問題点

ですから、「〇時間大丈夫」と一概に言うことはできません。
さらに、以下のような前提の問題もあります。
- 太陽の紫外線強度が一定であるという非現実的な仮定に基づいているから。
実際には時間帯・季節・雲・反射など、あらゆる条件で照射強度は変化します - MED(最小紅斑量)にも大きな個人差があるから。

しかし、この表現が招くもっと大きな誤解は、「SPF値の高い日焼け止めを塗れば、紫外線は肌に届かない」という誤った安心感です。


ぎゃー「SPF50塗ってるから安心」って思ってた!
SPFはUVBしか測っていない—UVAとPA
さらに重要な点があります。

SPFが評価するのはUVBのみで、光老化(しわ・たるみ・シミ)の主な原因であるUVAは、別の指標PAで評価されます。


SPFが高いから、光老化対策は大丈夫!って思ってました・・・
PA値とUVAの防御
- PA+ (25〜50%が透過)PFA 2〜4未満
- PA++ (12〜25%が透過)PFA 4〜8未満
- PA+++ (6〜12%が透過)PFA 8〜16未満
- PA++++(〜6%が透過)PFA 16以上
PA++++は最高評価ですが、それでも一定量のUVAは皮膚に届いています。



「PA++++だから光老化の心配はない」というのまた、過信なのです。
しかも、PAはUVAによる黒化反応を指標にしており、コラーゲン・エラスチンの破壊と必ずしも一致するわけでもありません。
今日からできる「本当に老けない」ための4つの習慣

日焼け止めは「光老化をゼロにするもの」ではなく、「リスクを軽減するもの」として捉えることが重要です。
以下の点を意識してみてください。
① 「塗る」より「隠す」を優先する

日焼け止めは、どうしても塗りムラや落ちが生じます。帽子、日傘、長袖、サングラスなど、物理的に紫外線を遮るほうが確実です。
日焼け止めは、それを補う「補助」と考えましょう。
② 2〜3時間おきに「塗り直す」

どれだけ高いSPF値でも、汗や皮脂で崩れれば効果はガクンと落ちます。外出中はこまめな塗り直しが欠かせません。
↓こんな基準もあるので、日焼け止め選びの参考にしてみてくださいね。

③ 一年中、曇りの日も、室内でも塗る

シワ・たるみの原因(UVA)は、雲や窓ガラスを軽々と通り抜けます。
外に出ない日でも、スキンケアの一環として日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。

④ SPFとPA、両方をチェック
「数字(SPF)」ばかりに目が行きがちですが、エイジングケアには「+の数(PA)」も同じくらい重要です。
両方のバランスを見て選びましょう。
まとめ

日焼け止めは、紫外線を「ゼロ」にするものではなく、肌へのダメージを「減らす」ためのツールです。
×塗っているから大丈夫!
◎ 塗っていても、なるべく当たらない工夫をする。
この少しの意識の差が、5年後、10年後のあなたの肌を大きく変えていきますよ!


人気記事ランキング