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脂漏性皮膚炎と診断されたけど、ファンデーションはどう選べばいいの?
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結論としてはルースファンデがおススメ。
でも、症状を悪化させにくいポイントを知れば、使えるファンデの幅が広がるかも!
LINEのスキンケア相談でも多い、脂漏性皮膚炎のメイク問題。
脂漏性皮膚炎でもファンデーションを使いたい方のために、脂漏性皮膚炎におすすめのファンデーションの種類と選び方を、医学博士監修の下、コスメコンシェルジュ中村が解説します。
脂漏性皮膚炎のファンデーションの選び方
選ぶポイントは3つ
脂漏性皮膚炎のファンデーション選びのポイントは3つあります。
1.油分量が少ない
2.皮脂に似ていない油分
3.落としやすい
脂漏性皮膚炎は、皮脂や皮脂に似た油分が炎症の悪化に繋がりやすく、また、クレンジング・洗顔が刺激となり、脂漏性皮膚炎の症状を悪化させる恐れがあります。
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一つずつ詳しく解説して参りますね。
油分量が少ないファンデーションの選び方
油分の多い化粧品で、赤みが出た、痒くなった、という経験をお持ちの方も多いと思います。脂漏性皮膚炎は原因が明確ではありませんが、油分はできるだけ避けることが賢明です。
そこで、主なファンデーションの種類とその油分量の目安を一覧にしました。
![]() ルースタイプ | 粉:油 9.5:0.5 |
![]() プレストタイプ | 粉:油 9:1 水なし・両用 |
![]() スティックタイプ | 粉:油 6:4 油性・コンシーラー等 |
![]() エマルジョンタイプ (クッションファンデを含む) | 粉:油 5:5 油性タイプの例 |
![]() クリームタイプ | 粉:油:水 2:2:6 W/O型乳化タイプの例 |
![]() リキッドタイプ | 粉:油:水 1:2:7 O/W型乳化タイプの例 |
皮脂に似ている/似ていない油分って、どれ?
皮脂の構成成分は以下のグラフのようになっています。
また、化粧品によく入っている油分はこのような分類になります。
油分の種類 | 代表的な成分例 |
炭化水素 | ワセリン、ミネラルオイル、スクワラン等 |
高級脂肪酸 | ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等 |
高級アルコール | ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等 |
油脂←似てる! | オリーブ果実油、シア脂、マカデミア種子油等 |
ロウ・エステル油 | ホホバ種子油、ミツロウ等・ミリスチン酸イソプロピル等 |
シリコーンオイル類←似てない! | ジメチコン、シクロペンタシロキサン等 |
皮脂に一番似ている油分は?
皮脂の中で一番多いのが「トリグリセリド(41%)」という油分で、
油脂(の主成分)と同じ構造で、皮脂の中で一番多いので、油脂が皮脂に一番似ていると言えます。
なお、トリグリセリドは、常在菌によってグリセリンと脂肪酸に分解されます。
皮脂の中で2番目に多い「ワックスエステル(25%)」は、
皮脂の中で3番目に多い「高級脂肪酸(16%)」は、皮脂の中の「
皮脂の中で4番目に多い「スクワレン」
(スクワレンは酸化されて刺激物質になりやすいため、
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皮膚科の先生によっては、炭化水素油(ワセリンなど)も良くないという方もいらっしゃいます。スキンケアカウンセリングの体感としては、確かにワセリンなどで肌荒れする脂漏性皮膚炎の方はいらっしゃいます。
皮脂に似ていない油分
ファンデーションによく使われている、皮脂に似ていない油分の代表が、シリコーンオイルです。
シリコーンオイルはマラセチアなどの常在菌では分解しにくい油分なので、脂漏性皮膚炎を悪化させにくいと言われています。
「皮脂ブロック」「崩れ防止」と書かれているようなファンデーションでしたら、シリコーンオイルのファンデーションの可能性が高いです。
・メチルトリメチコン
・ジメチコン
・カプリリルメチコン
・シクロペンタシロキサン
落としやすいファンデーションの選び方
皮脂に似ていない油分としてご紹介したシリコーンオイルですが、シリコーン系のファンデーションは洗顔料のみで落とせないものもあります。
なお、シリコーンオイルは、同じ名前でも重合度(大きさというより、どれくらい連なっているか)が違うこともあり、成分からは落としやすさは分からないので、商品の使用方法を読んでください。
ダブル洗顔をする場合は、1回の洗顔よりもバリア機能を低下させ、症状を悪化させやる可能性がありますので、メリットデメリットを検討して選んでくださいね。
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脂漏性皮膚炎に1番おススメのファンデは?
ルースタイプのファンデーションが脂漏性皮膚炎にはお勧めです。
脂漏性皮膚炎の方の多くは皮脂が多いため、ルースタイプだと皮脂を吸着して化粧崩れもしにくいというメリットがあります。
皮脂に近い油分が使われていたとしても、極少量という点もポイント。
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オイルを一切配合していないルースファンデーションも少なくない
ルースタイプのファンデーションはクレンジングが不要で、洗顔料で落とせるものが多いため、洗顔時の負担が少ない点も良いですね。
脂漏性皮膚炎に1番NGなファンデは?
油分が多いクッションファンデーションや、クリームタイプのファンデーションは、脂漏性皮膚炎を悪化させやすいと考えれらますので、できるだけ避けたほうが無難です。
ただ、脂漏性皮膚炎の方の中には、油分を問題なく使える方や、ある程度の油分なら問題ない方もいらっしゃいますので、誰にでもNGということではありません。
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情報だけで判断せず、実際に試して、お肌に合うかでご判断くださいね。
後者の場合は見極めが難しいですが、ファンデーションが怪しいと思ったら、いったん止めてみてくださいね。
カバー力が欲しい日もある!
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やっぱりルースファンデですよね、でも、ここぞという日には物足りないです!どうにかなりませんか(涙)
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ですよね…症状のために我慢し続けるのはツライですよね。おしゃれして出かけたい日もある!
ここぞという日は…
1.短時間だけファンデを使い、なるべく早く落とす。
2.使うならプレストタイプで油分がない、若しくはできるだけ油分が使われていないもの。
3.ファンデで油分が補われてしまうので、ご自身の皮脂は油取り紙等でこまめに取る。
4.皮脂抑制のスキンケアをしっかり仕込む。(お肌の敏感さに合わせて)
5.数日前から油分の多い食事を控える。
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やれることは全てやったら、特別な時間を思いっきり楽しんで!その嬉しい気持ちは、お肌にも良い影響を与えてくれると思います。
脂漏性皮膚炎の基礎知識
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は、いわゆる脂漏部位(皮脂分泌の過剰あるいは皮表皮脂の増加のある部分)にできやすい湿疹をいい、鱗屑紅斑が主な症状です。
症状が現れるのは頭皮で2/3、顔面は1/2と言われています。
目につきやすい症状なので、ニキビ同様QOL(生活の質)の低下につながり、適切な治療とスキンケアが大切です。
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脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎の発症には、皮脂分泌機能の異常が関与しており、皮脂の様々な分解産物による刺激が皮膚炎を起こしていると考えられています。
またマラセチアという真菌の関与も重要視されており、マラセチアによる免疫活性化や接触アレルギー、皮脂の分解産物の刺激による皮膚炎、さらにIL-6やIL-8のような炎症性サイトカインの産生増加などが要因として考えられています。
脂漏性皮膚炎のファンデーションの選び方まとめ
1.油分量が少ない
2.皮脂に似ていない油分
3.落としやすい
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OK →ルースファンデ
NG →クッション・クリームファンデ
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