唇がカサカサして、皮めくれやひび割れも(涙)
どうケアするのが正解ですか?
まず、唇を舐めず、むやみに触らず、ワセリンで保護し、これを読んでください。
この記事では、デリケートな唇の構造を解説し、荒れる原因やNG行為を紹介します。正しい唇の「保護」の仕方を、医学博士がご説明します。
流行の「リップティント」で唇が荒れてしまった方、落ちない口紅で荒れる理由も合わせて、スッキリ解説しますよ!
唇の構造:デリケートな理由はコレ
・角層が薄い
→バリア機能が虚弱なため、乾燥しやすく、刺激に弱い
→天然保湿因子が少なく、乾燥しやすい
・メラニン色素はほとんどない
→紫外線を防ぐことができず、刺激をモロに受けてしまう
・成人の半分は皮脂腺を持っていない
→皮脂膜が形成されず、乾燥しやすい
成人の半数には、皮脂腺(独立脂腺)があるが、皮脂が出たとしても飲食などを行う影響で皮脂膜はほぼ形成されません。また、汗腺もありません。
唇は角層が薄く、皮脂膜もほぼないため、バリア機能が虚弱、というところがポイントです。
だから唇はカサカサしたり荒れたりしやすいんですね!
唇荒れの症状と原因
カサカサ、皮めくれ、ひび割れなどは、経験されたことのある方も多いと思いますが、慢性化してくると、ジュクジュク、水泡、痒み、しみるなどの症状も出て来ます。
その原因はさまざまで…
- 食べ物(熱い・辛い・塩分の多い食品等)
- 歯磨き粉
- メイク
- 紫外線
- 乾燥
- 疲れやストレス
- 免疫低下
よく分からない場合も多いですが、酷くなると口唇炎、口角炎等に発展する場合もあります。
原因は化粧品じゃなかった!ってこと、多いんですよ。
これやってない?NGケア・行為
〇〇だけは止めて!
唇をなめてはいけません!
そうい言われた瞬間、なめてしまった(笑)
水分が蒸発する際に、もともとの唇の水分も余計に持って行ってしまい、乾燥させてしまいます。
また、唾液が乾燥した後に残る塩分や酵素が、かぶれに似た炎症の原因になり、さらに、舌の”ざらざら”による物理的刺激で、唇を荒らしてしまうことも。
唇をなめるのは、100害あって1利なし!
めくれた皮を無理やり取る
気になって取ってしまいがちですが、じっと我慢して自然に落ちるのに任せましょう。
薄く未熟な角質層が露呈し、さらに乾燥しやすい無防備な唇になってしまいます。
無意識で取らないように、ワセリンを厚めにぬっておくのがおススメです!
なお、ワセリンは多少舐めても害はないので大丈夫です。おいしくはありませんが(笑)
何度も触る
荒れていると気になって何度も触ってしまうかもしれませんが、NG!
リップクリームを何度も塗り直しすることも、その摩擦が負担になることがあるので気を付けましょう。
リップティントや落ちないリップを使う
ティントリップや落ちない口紅は、顔料ではなく染料を使うことで、より唇に定着、少し浸透して色もちが良いのが特徴。
しかし、お肌への負担が強いため、荒れている時にはお勧めできません。
着色料には染料と顔料がありますので、それぞれの特徴を解説します。
〇 顔料:水や油、アルコールなどに溶けない
肌につけてもただ乗っているだけで浸透しにくく、刺激になりにくい。
× 染料:水や油、アルコールなどに溶ける
何かに溶かして化粧品に配合されているため、角層などに浸透しやすく、それがタンパク質と結びついてアレルギーを起こすなど、刺激になりやすい。
染料か顔料か、どうやって見分けるんですか?
ミネラル成分(酸化鉄等)はすべて顔料ですが、タール色素はどちらもあり、名前が似ているので、覚える以外に方法が…
かずのすけさんが一覧表にして下さってます♪
ただ、顔料も染料も成分名が「赤218」とか「青1」のように『色+番号』で名称が決められているので、名称から顔料か染料かを見極めるのは困難です。
そこで【染料か顔料か見分けられる早見表】を作っているので、肌が弱い人はチークなどの色物コスメを選ぶ際にはこちらを参考にして選んでみて下さい💁♂️ pic.twitter.com/R0g1yeKTJL— かずのすけ (@kazunosuke13) November 19, 2020
唇の基本のケア
保湿
水分を逃さない(水分の蒸散を防ぐ)ケア
通常のスキンケアでは水分を与えて逃さないケアですが、唇では水分を逃さないケアが基本になります。
紫外線対策
唇にはメラニン色素がなく紫外線に無防備なので、紫外線対策が必要です。
日中は紫外線防御効果(SPF・PA)があるリップクリームを塗ると、紫外線対策ができておすすめです。ただ紫外線防御剤自体がそれが刺激になることもあるので、慎重に!
SPF・PAの表示がなくても、ミネラル成分が配合された色付きのリップクリームや口紅なら、紫外線防御効果を少なからず持っているので代用可能です。
唇には何を塗るべき?グロスはどう?
ワセリン
唇ケアには、圧倒的にワセリンがおススメです。
浸透せず、密封力があるため、唇に必要な水分を逃さないケアに最適です。
また、ワセリンは傷口の保護に使われたり、塗り薬の基材に使われるなど、医療現場でも保護に使われるなど、成分的に安全性が高いのもポイントです。
ベタベタすることで唇をなめたくなくなるのも、実は唇にとって良いポイント!
リップクリームの選び方
リップクリームなら、ワセリンや油分がベースのものにしましょう。
リップグロスも保護してくれますか?
リップグロス等は油分が主成分でなく、増粘剤で粘度を出しているので、保護力は弱く、適していません。
ちなみにですが、私は「ラノリン」(羊の皮脂分泌物から生成)のリップスティックがめちゃくちゃ合わないので避けています。
リップクリームの塗り方
リップクリームを塗る場合は、強く当てすぎないように注意!薄い角層を傷つけてしまいます。
シワに沿って縦塗りすると、浸透しやすくなりますよ。
唇ピンチ!の時はどうしたらいい?
唇は角質層がほぼ存在しないので、ターンオーバーが早いのが特徴。荒れていてもしっかり保護すれば1週間ほどで治ることが多いです。
まずはワセリンで保護し、NG行為を避けながら、
- 洗顔料やクレンジング、歯磨き粉などがつかないように気を付ける
- メントールなども刺激になるため、低刺激な歯磨き粉に変える
- マウスウオッシュの使用も避ける
- 歯磨きなどでオーラルケアをきちんとする
(歯磨きが不十分で雑菌が多いと、口唇炎の原因にも)
口角が切れやすい場合は、ビタミンB2・B6を意識して摂るのがおすすめです。
唇にもセラミドを塗ったほうがいい?
シェルシュールと言えばセラミド!さんざんお肌にはセラミドが大事って言ってきたんだから、唇にもセラミドですよね?
いえ、唇にセラミドは不要です。
セラミドは、角層でラメラ構造をとり、バリアとして働く成分。
唇に塗っても、そもそも唇は角層が極端に薄く、バリアの層がほぼないため、セラミドはあまり役に立たないのです。
さらにセラミドは原価が高いので、塗っても悪くはありませんが、コスパが悪いですね。
まとめ
唇は角層が薄く皮脂腺もないため、乾燥しやすくデリケート。
お肌とは違う、ということを忘れずに、ケアしてあげてください。
唇ケアまとめ
- なめない、むかない、さわらない!
- セラミド等の浸透保湿ケアではなく、ワセリン等の油分で「保護」
- 荒れてしまっても、刺激を避けてしっかり保護すれば回復も早い
- リップティントなど「染料」を使った色付きリップに注意!
お肌の「角質はがれ」が気になったら、この記事を読んでみてくださいね。
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