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化粧品の ”防腐剤無添加” のからくり

つぶやき

こんにちは、セラミド化粧品シェルシュールの商品開発をしております高岡です。

化粧品成分の中で最も嫌われ者の防腐剤。

防腐剤無添加と聞くとなんだか良さそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。

化粧品の防腐剤

化粧品に使用できる防腐剤は決められていて、薬事法に基づいて厚生労働省が定めたリスト(ポジティブリスト)に記載されているものしか使用してはいけません。
このリストの中にはパラベン類をはじめとしてフェノキシエタノールや安息香酸、ヒノキチオール、ソルビン酸などたくさんの防腐剤が記載されており、配合上限(%)が決められています。

やはり、そのようなリストがあって、上限が決められているということは、少なからずお肌に負担がかかる成分なのであろうと思いますが、その範囲内で使用する場合は一般的には安全です。
しかしながら一部の方にはお肌に合わず刺激を感じたり皮膚炎などの炎症の原因となる場合があります。

皆さんもよくご存じのパラベン類は、最もよく使用されている防腐剤のひとつで、広く医薬品や食品でも使用されている最も安全性の高い防腐剤です。
しかし、ごく一部でお肌に合わない方がいて、お肌にトラブルが生じることがあることもよく知られています。
そのためパラベンは防腐剤の代表のように言われており、最も嫌われている化粧品成分のひとつとなっています。

防腐剤はなぜ必要

防腐剤はお肌には全く必要のないものですが、化粧品には必要なものです。
なぜ化粧品には防腐剤が必要なのでしょうか?

防腐剤は化粧品が腐らないようにする働きがあります。
化粧品には水や油分などが豊富に入っているので、微生物にとってはご馳走です。
防腐剤がなければ腐ってしまい、変質したり、分離したり、変色、においの変化などが起こります。
それだけでなく毒素を作り出す微生物もいるので、うっかりお肌につけてしまうと大変なトラブルとなってしまいます。

一般的に化粧品は未開封で3年以上腐らずに使用できなければならないと定められています(※使用期限が記載されているものは例外です)。
店舗や倉庫に長期間置いてある場合を考えると5年くらいは腐らないことが必要なのです。そのため、どうしても防腐剤が必要となってきます。

防腐剤無添加のからくり

それでも市場には防腐剤無添加という化粧品がたくさんあります。なぜでしょうか?

昔はパッケージを小さくして無菌的に充填することで菌の汚染を少なくする工夫をしたり、パラベン以外のよく知られていない防腐剤を使ってごまかしていたこともあったようです。

最近は、防腐剤ではないけれど防腐効果をもった成分の使用頻度が高くなってきているようです。
例えば、防腐力をもった保湿成分のプロパンジオール、BG(ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、1,2ヘキサンジオール、エチルヘキシルグリセリンなどや防腐効果のある界面活性剤などがよく使用されています。
防腐剤に比べると防腐力は弱めなので、配合量が多くなったり、いくつかの種類を併用する必要などがありますが、逆に防腐剤と併用することで防腐剤の使用量を減らすことが可能であったり、お肌への刺激やトラブルを軽減することが可能です。

通信販売などで生産からお客様の手に届くまでの期間が短い場合や、使用期限を設定している場合、エアレスボトルなどを使用して空気に触れる機会が少なく菌の汚染がほとんどない容器の場合などには、これらの防腐効果のある成分を使用することで問題なく防腐剤無添加を実現できます。

パラベンがお肌に合わないという方は、こういった化粧品を探されてはいかがでしょうか。

執筆者

医学博士 高岡幸二

医学博士 髙岡幸二 Profile

大阪府出身。神戸大学卒。医学博士。
元神戸大学バイオシグナル研究員、元奈良女子大学非常勤講師。
バイオテクノロジーの研究員、化粧品・健康食品の開発、化粧品原料の営業などを経験。
その過程で従来のスキンケアのあり方に疑問を感じ、皮膚のバリア修復に注目した新しいスキンケア理論を開発。スキンケアで困っている方々に少しでも力になりたいと思い起業。