
高岡先生!化粧水はほとんど水なんですよね?

水で薄めてるってことですよね、ぶっちゃけ?

そう思われる方も多いようですので、今日はスッキリ理解して頂きましょう。はい、水で薄めています。

え?ええーーーっ?
シェルシュール新人スタッフ「なえぽん」が、化粧品業界への忖度抜きに、ズバッと切り込んで行く人気(になる予定)のシリーズ!

成分とかよく分からないけど、タイパ・コスパ重視で!

さすが現代っ子だわ!(ちなみに私は2児の母です)
化粧水は「ほとんど水」説は本当か

成分表示で、最初が水だとコスパ悪いから、最初が水以外の化粧品を買え、ってSNSで見ました。

そもそも、最初が水って何ですか?

全成分表示の最初に書かれている成分、のことで、その化粧品の中で一番多く配合されている成分が水だ、ということです。
全成分表示義務
化粧品に対して法律で定められたルールです。
2. 配合量の多い順に記載する
3. 1%以下の成分は順不同で記載可能…以下細かく続く


化粧水は9割前後が水!?

つまり、化粧水のほとんどは水ってことですよね?

ほとんどとは言い切れませんが、多くの化粧水の場合、9割前後が水(精製水)ですね。
*「成分」とは、水以外の成分のことであり、有効成分の他、水と油を混ぜるための界面活性剤や乳化剤などの成分も含まれています。

やっぱり!そんな水で薄めたもの、使いたくないです。
水を一滴も使っていない化粧水がいい?

一番最初が水じゃない、水が入っていない化粧水、ググれば沢山あるじゃないですか!
・ダマスクローズ水
・アロエベラ葉汁
・〇〇培養液
・××温泉水

はい、どれも「水・汁・液」とあるように、主成分は結局水です。
目的があってその「汁・水・液」が配合されていると思いますが、「一番最初が水じゃないから、水は入っていない、水で薄めていない。」と考えるのは間違いです。
例えばローズウォーターは蒸留して作られますが、
バラの成分が主に含まれているのは精油の方で、
結局どれも水で薄めるなんて!?

結局どんな化粧水も、成分を水で薄めてるってことですね。

確かに「水で薄めている」のですが、この濃度は目的に対しての必然です。
化粧水は、その名の通り「水」のようなパシャパシャとしたテクスチャーが求められます。そこで、水溶性の成分を主体として、適切な濃度と使用感を追求すると、このような配合率になります。
コラーゲン、ヒアルロン酸、グリセリン、ナイアシンアミドなど、大多数の水溶性の保湿・美肌成分は水に溶かして使うものなので、水より高濃度になることはまずあり得ません。
例えば、ビタミンCは原料が粉なので、お肌に浸透させ、塗りやすくするためには、適切な濃度で水に溶かすことが必要です。
基本的には、乳液やクリームの方が、水の割合が低くなり、油分が加えていられることが多いです。
*化粧水、乳液、クリームという名称は、メーカーが独自に設定しているものなので、その配合は千差万別で、あくまで一例です。
また、オイルやクリームのテクスチャーが苦手で使う化粧品が偏ってしまい、油分が不足しがち!という乾燥肌さん、一定数いらっしゃいます。
そんな方には、油分をお水で薄めて(乳化させる)、軽い使用感で油分を補える化粧品を提供し、お悩みを解決することができます。

それは、水で薄めている…じゃないですね!

そうです!正しく言うと、水で薄めているのではなく、「水で適切な濃度にしている」のです。
濃度が高い=効果も高いはず?

スキンケア化粧品は、保湿やシワシミ対策など、欲しい効果がしっかり得られるものを選びたいです。
だから、成分の濃度が高いものが欲しいんです!間違ってますか?
濃度が高い方が、確かに効きそうな感じがしますよね。
もし「ヒト型セラミド99%のうるおい革命美容液!」なんてあったら…(あり得ません)

ヤバイ!それ絶対塗る!
濃度が高いほど効く?
単純に効果だけで考えれば、成分濃度に比例して、その効果は上がるものが多いです。しかし、

どんな成分でも「濃度が高いほど良い」とは言えません。
適切な濃度があります。
お肌に効果のある成分には、その成分を製造するメーカーが「推奨濃度」というものを設定していることが殆どで、効果が発揮される濃度と刺激になる濃度との兼ね合い、基材の溶解度、安全性などが考慮されているものです。
使用する際にはその推奨濃度を元に、安定性やテクスチャー、他の成分との相性などを鑑みて、慎重に濃度を決定していきます。

塩や砂糖でも、美味しいと感じる適切な濃度があり、取り過ぎれば健康被害が生じ、一度に過剰摂取すれば、生命の危機すら招きます。

濃すぎる味噌汁はマズイし、高血圧になっちゃう。

化粧品は食べ物と違って、いい感じの濃さとか感覚的に分からないし、効果もゆっくり出るものだから、水で薄めてる?って、思っちゃうのかも。
商品開発者のホンネ

正直な話ですが、企業として利益を出していくことは必要ですので、成分の原価を一定の範囲内に収めつつ、効果の高い、買いやすい価格帯の商品の開発に、日々頭を悩ませています。
例えばヒト型セラミドは、保湿効果が非常に高いですが、原価も相応に高いです。そこで、濃度を段階的にして商品を開発しています。
・ヒト型セラミドの濃度が低いながらも、他の保湿成分で効果を補った、低価格帯の商品
これはそもそも、濃度を高めれば刺激も高くなりやすい、という観点からの商品構成なっています。
・効果優先の方には、美容成分を高濃度で配合した商品

美容液系だけでもこんなに↓
*セラミド濃度と油分のみを比較した表です。

お客様のお肌の状態や目的、ご予算で、最適なものを選んでいただけるよう、きめ細かな商品設計にしています。

だから、シェルシュールは商品が多過ぎて選びにくいんですね!

なえぽん言い過ぎーーっ!でも、図星(笑)

それは褒め言葉だと思っていますよ。

そうですね、敏感肌にとっては濃度が高いものは刺激リスクも高く、肌に合わない濃度で無理して使うと、肌荒れして敏感肌になってしまうこともありますが、これだけあれば、肌に合う濃度のものを選んでいただけると思います!
商品が多過ぎて選びにくいシェルシュールですが、コスメコンシェルジュ中村が商品選びをサポートしますので、気軽にご相談くださいね。
まとめ

目的や肌質に合わせて適切に「水で薄める」ことで、理想の化粧品を追求しています。
水(精製水)なしで良い化粧水や美容液は作れません。
「最初が水じゃない」化粧水はコレ!という情報を、ネットやSNSで時折見かけますが、その「○○汁・△△水・××液」は、実際ほぼ水+不明な成分です。

でも、効果がしっかり欲しい!だから、水で薄めていない、成分濃度が高いものが欲しいんです!

どんな成分でも「濃度が高いほど良い」とは言えません。適切な濃度があります。
単純に効果だけで考えれば、成分濃度に比例して、その効果が上がるものが多いですが、刺激が強くなったり、使い心地が悪くなるなど、負の側面も上がります。
特に敏感肌の方は、濃度が高いほど、炎症・肌荒れを起こす可能性も上がることが多いので、注意が必要です。

お肌の状態や目的、ご予算に合わせて、効果を出しながらもバランスの取れた、最適な化粧品を選んで頂けるよう、これからも努力して参ります。
話し合いの後で…

化粧品を開発している者としては、水なしで良い化粧水や美容液は作れませんし、水が少ないととんでもないものができてしまうので、成分表示は水が最初で当然だと思っています。
でも今回、お客様にとってはそれが当然ではないということを、なえぽんさんに教えていただきましたよ。

えっへん。

私も固定概念に縛られてたし、なえぽんの率直な「ギモン?」が刺激になってます! えっへんは余計だけどっ(笑)
熟練スキンケア相談員・コスメコンシェルジュ中村から、美容のイロハを学んでいくなえぽんの成長(と、ドタバタ)を、どうぞ見守ってやってください!
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