化粧品の裏にびっしり書かれた成分表示、読んだことある?
小さくて読みにくいし、読んでもよく分からん…
この記事で基本的な法則を知れば、化粧品選びに迷った時の強い味方になります。
さらに、合う化粧品の少ない敏感肌の方が、成分表示を読み取るポイントを解説していますので、知らなきゃソン!
化粧品成分表示のキホン
化粧品に配合されている成分は、すべてパッケージへの表示が義務付けられており、その表示にはルールがあります。
配合量が多い順に記載
ご存じの方も多いと思いますが、表示の順番は、配合量の多いものから順に記載されています。
「1%以下」は順不同…ということは?
しかし、配合が1% 以下の成分は順不同で表記できます。
そのため、訴求成分(肌の悩みに効く等ウリの成分)が前に記載されていることが多いです。
先に書いてあるから沢山配合されている、とも限らないとは!
化粧品成分構造のキホン
化粧品を開発する視点での、化粧品の基本的な構造について知っていると、成分表示も読みやすくなって来ますよ。
敏感肌には「1%」ラインが重要?
敏感肌には1%ラインが重要な理由
敏感肌のお客様から日々相談をお受けする中で、刺激の強い成分も1%未満なら使えました!というお話を伺うことも多いんですよ。
ビタミンCやアゼライン酸
ビタミンCやアゼライン酸は、20%
敏感肌は、
エタノール
清涼感を出すために配合されている場合は1%以上のことが多く、敏感肌は刺激になることがあります。
しかし、1%未満だと、植物エキスの溶媒など、何かの原料に含まれているだけなので、刺激にならない可能性がグッと上がります。
1,2-ヘキサンジオール
とても低刺激で安全性が高い保湿成分なのですが、シェルシュールの敏感肌のお客様のなかには、極稀にこの成分が合わない方がいらっしゃいます。
しかし、そのような方の中でも、1,2-ヘキサンジオールがベース成分でなくキャリーオーバーなど1%未満で配合されている場合は、問題なく使える方も少なくありません。
グリセリン
とても低刺激で安全性が高い保湿成分ですが、稀に合わない方、肌が赤黒く見えるという方、毛穴が開いて見えるという方もいらっしゃいます。また使用感が苦手、とい方もいらっしゃいます。
1%未満なら使えたり、使用感も気にならない場合があります。
でも、どこから1%未満か、成分表示には書いてないですよね?
そこで、敏感肌化粧品を開発する医学博士(弊社社長です)に、1%の目安となる成分をあげてもらいました。
もちろん、下記に当てはまらない場合もありますが、参考にしていただけたら嬉しいです。
1%未満の成分リスト
パラベンやフェノキシエタノール
これらは配合上限が1%の成分ですので、必ず1%未満です。
防腐剤はポジティブリストという、配合濃度に制限がかかる成分のリストに入っている成分なので、必ず上限があります。
グリチルリチン酸・アラントイン
抗炎症成分として配合される、グリチルリチン酸(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸2K等)やアラントインは、必ず1%未満です。
精油
化粧品の成分表示に精油が書かれてたら、1%未満ですね。
例:ニオイテンジクアオイ油、ラベンダー油、オレンジ果皮油、ダマスクバラ花油等
ほぼ1%未満の成分リスト
レチノール(誘導体を含む)
海外の化粧品ですと1%以上のものもありますが、日本の化粧品の場合は、ほぼ1%未満と考えられます。
レチノール誘導体例:パルミチン酸レチノール ·リノール酸レチノール · 酢酸レチノール等
なお、純粋レチノールやピュアレチノールは、レチノールの呼び方を変えただけなので、同じレチノールです。
ヒアルロン酸Na
ヒアルロン酸Naは1%あるは1%あるとかなりの粘度になるので(ほぼジェル)、1%よりかなり低いです。
ただ、ヒアルロン酸にはさまざまな種類があり特性が違うので、ヒアルロン酸Na以外のヒアルロン酸に関しては1%未満とは言い切れません。
ヒト型セラミド
ほとんどの化粧品が、1%未満です。
ヒト型セラミドを1%以上配合している化粧品は、その旨大きく書いてあることが多いですね。
例:セラミドEOP、セラミドNG、セラミドNP、セラミドAG、セラミドAP
1%未満とは限らない成分リスト
植物エキス
全成分の始めの方に書かれていなければ、1%未満の可能性が高いです。
例:カミツレ花エキス、アロエベラ葉エキス、チャ葉エキス、ローズマリー葉エキス、トウセンカ花エキス、カンゾウ根エキス、ラベンダー花エキス、等
クリームや乳液に配合された界面活性剤
乳化のために使われる界面活性剤は、洗顔料やクレンジングに洗浄剤として配合される場合より少ないですが、1%以下とは限らないですね。
グリセリン・多価アルコール
保湿成分として使う場合は、だいたい3%以上使いますが、必ずしも保湿成分として配合されているとは限りません。
多価アルコール例:グリセリン、プロピレングリコール(PG)、1,3-ブチレングリコール(BG)、ソルビトール、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール
例えばBGは保湿成分としても使いますが、植物エキスの抽出に使用されて、キャリーオーバーになることがあります。
あくまで目安で、絶対とも言えませんが参考までに。
医薬部外品と化粧品の成分表示注意点
表示ルールの違い
医薬部外品と化粧品の成分表示は、ルールが違いますので、比較する際は注意が必要です。
医薬部外品は成分を配合量順に表示する義務はないので、各社が自主基準で成分表示をしています。
「有効成分」を大きく明示し、「その他の成分」として小さく全成分を書いてあることが多いですね。
医薬部外品は、配合量が多い順に記載されているとは限らないんだね。
医薬部外品の方が成分が高濃度?
医薬部外品は、有効成分を”定められた他囲で”配合することが条件です。
成分濃度には下限と共に「上限」も定めらています。
例えば、医薬部外品は、ビタミンCの配合量*を5%より多く配合できません。
一方化粧品の場合は、成分濃度の上限が定められていないので超高濃度に配合することが可能です。
「医薬部外品だから成分が高濃度」とは一概に言えないのですよ。
*ビタミンC誘導体は規定濃度が異なります
化粧品成分の読み方まとめ
今日はちょっとマニアックにお話して参りましたが、最後に簡単にその内容をまとめておきますね。
化粧品成分表示の読み方まとめ
≫ 化粧品成分表示は配合量が多い順、でも1%以下順不同に要注意!
≫ 敏感肌は配合量1%ラインが重要!
成分表示からは分からないが、目安となる成分リストを参考に
≫ 医薬部外品は全成分表示の義務なし。また、医薬部外品の方が成分が高濃度とは限らない。
なかなか合う化粧品のない敏感肌の方が、お肌に合い満足できる化粧品に出会うためには、成分表示の読み取りが大きな手掛かりになってくれますよ。
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