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医学博士が教える【菌活】スキンケア!お肌の生態系(マイクロバイオーム)の整え方・NGケア3選

ニキビ肌
お客様
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前回の先生のお話で、私の顔には1,000種類もの菌が住んでいて、ニキビ菌(アクネ菌)ですら、実はバリア機能を作る味方って知って驚きました!

医学博士
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そうですね。大切なのは、特定の菌を排除することではなく、「菌の多様性」を保つこと。バランスが崩れた状態こそが、アトピーやニキビ、赤ら顔の引き金になるんでしたね。

「アクネ菌=悪者」はもう古い→菌活が美肌のカギ「マイクロバイオーム」を医学博士が徹底解説
顔に住む数万個の菌は美肌の味方!医学博士が最新の「皮膚マイクロバイオーム」を解説。アクネ菌やニキビダニの意外な役割から、トラブルを招くバランス崩壊の仕組みまで。美肌の鍵は除菌ではなく「共生」に。

前回の振り返り:3つの重要ポイント

  1. マイクロバイオームは「微生物のコミュニティ」
    細菌だけでなくウイルスやダニも含めた、一つの生態系。
  2. 「アクネ菌」も、コミュニティから排除すべき「悪者」ではない
    ニキビの原因と嫌われているが、実は潤い成分(グリセリン)を作り、肌を守っている一例。
  3. 肌トラブルの原因は「バランスの崩壊(ディスバイオシス)」
    特定の菌が悪いのではなく、バランスが崩れることが原因。

 

お客様
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具体的に、どうやってマイクロバイオームのバランスを整えたらいいの?

医学博士
医学博士

今回は実践編!菌を育てる注目の「菌活成分」と、知らずに菌を殺している「NGスキンケア習慣」を解説します。

肌のトラブルを招く「ディスバイオシス」とは?

健康な肌は、さまざまな微生物が絶妙なバランスで共存しています。

皮膚のマイクロバイオーム

しかし、何らかの原因で特定の菌だけが増えすぎたり、逆に多様性が失われたりすると、肌の生態系、マイクロバイオームのバランスが崩れます。

この状態を「ディスバイオシス」と呼びます。

医学博士
医学博士

これが炎症の原因なのか、結果なのかはまだ明らかにされていませんが、ディスバイオシスを防ぎ、バランスを保つことが、医学的にも皮膚の健康に欠かせないと考えられています。

*具体的な皮膚疾患とディスバイオシスの例は、前回の記事を参考にしてください。
「アクネ菌=悪者」はもう古い→菌活が美肌のカギ「マイクロバイオーム」を医学博士が徹底解説

菌を「補い・育てる」2つの菌活アプローチ

開発の様子

お腹の健康(腸内細菌)と同じように、肌のマイクロバイオームを整える方法にも2つのアプローチがあります。

プロバイオティクス・プレバイオティクス

  • プロバイオティクス(菌そのものを補う)
    菌そのものや、菌の培養液、分解物を入れる方法です。化粧品では生きた菌を入れるのは難しいため、菌の「エキス」などを活用して肌の環境を整えます。

  • プレバイオティクス(菌の“エサ”をあげる)
    肌にいる良い菌たちが元気になる「エサ(オリゴ糖など)」を与えるという発想です。

「菌活」美容成分4選

最近では、以下のような高機能な原料が開発されています。

原料名特徴・期待できる効果
ALGAKTIV BioSKN
<クロレラ由来>
Greenaltech社(スペイン)
・善玉菌を増やしつつ悪玉菌を減らす
お肌の再生効果も
主成分:クロレラエキス
プレバイオティクス)
BIOECOLIA
<天然のオリゴ糖>
Solabia社(フランス)
・善玉菌だけを選択的に活性化
洗いすぎなどで乱れた環境をリセット
主成分:α-グルカンオリゴサッカリド
プレバイオティクス)
ECOSKIN
<オリゴ糖と乳酸桿菌等>
Solabia社(フランス)
・常在菌のバランスを維持
肌のキメを整える
主成分:α-グルカンオリゴサッカリド・ポリムニアソンチホリア根汁(プレバイオティクス)、乳酸桿菌(プロバイオティクス)
Lipigenine
<アマ種子エキス>
Ashland社(アメリカ)
・善玉菌の働きを高める
肌自体の脂質合成をサポート
主成分:アマ種子エキス
プロバイオティクス)

ALGAKTIV BioSKN  GSIクレオスカタログ資料
BIOECOLIA・ECOSKIN 日光ケミカルズカタログ資料
Lipigenine アシュランド・ジャパンカタログ資料
Lipigenine アシュランド(アメリカ)資料

今注目の「クロレラエキス」

医学博士
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特に注目されているのが、クロレラエキスで、以下のような効果が期待されています。

  • 善玉菌が増えることで、皮膚のバリア機能が向上する。
  • 抗菌ペプチド産生を促すことによる抗炎症効果(抗炎症効果による透明感アップ、赤みの減少)
  • EGF作用のような細胞再生効果(肌密度アップ)
  • 皮脂抑制とコメド抑制効果
中村
中村

製品を知りたい方は、シェルシュール公式LINEで「クロレラエキス」と送ってね!

菌活スキンケア「これやっちゃダメ」3選

洗顔する女性

医学博士
医学博士

どれほどお肌に良い成分を使っていても、日々の習慣が「菌の虐殺」になっていては意味がありません。

① 「洗いすぎ」が最大の敵

洗顔は大切ですが、強すぎる洗浄やこすりすぎは、マイクロバイオームのバランスを根こそぎ壊してしまいます。

「キュキュッ」とするまで洗うのは、肌の味方を追い出しているのと同じです。

医学博士
医学博士

当たり前のように「ダブル洗顔」してまいせんか?
お肌の改革には、まず洗顔・メイク落としから見直すことが、遠回りのようで、近道・王道です。

まだダブル洗顔してるの?敏感肌のセラミドケアはクレンジングから見直すべき理由とは
ダブル洗顔のデメリット

② 「pH(酸性度)」の乱れに注意

健康な肌は「弱酸性」です。

石けんなどで洗顔して肌がアルカリ性に傾くと、悪玉菌である「黄色ブドウ球菌」が増殖するなど、肌のマイクロバイオームのバランスが異常(ディスバイオシス)状態になりますので、弱酸性のケアが必要です。

一般的には、石けんなどのアルカリ性の洗顔料を使用してお肌がアルカリ性に傾いても、皮脂がしっかり分泌されている方は、皮脂の働きで弱酸性に戻りますが、皮脂の少ない方の場合はなかなか弱酸性に戻りません。そのため化粧水や美容液での弱酸性のケアが必要なんですね。

弱酸性のケアで、菌が住みやすい環境を守りましょう。

医学博士
医学博士

悪玉菌だからと黄色ブドウ球菌を「除菌」しようとするのではなく、常在菌のバランスを崩すような「増殖を防ぐ」、という考え方が大切ですよ!

常在菌バランス

③ 必要だけど…防腐剤との付き合い方

防腐剤や防腐効果のある成分は、化粧品が腐らないよう、安全に使えるようにするために必要な成分です。

しかしながら「良い菌」「悪い菌」を選択的に作用することができないため、お肌に塗られた後にはお肌に作用して、マイクロバイオーム全体を減らしてしまう可能性があります。

医学博士
医学博士

そのため、プレバイオティクスやプロバイオティクスで、マイクロバイオームを育てて回復させることを意識したスキンケア化粧品を使うことは、とても良いことだと思います。


一時期、グリセリンがアクネ菌のエサになるということで、ニキビに悪いのではないかとグリセリンを敬遠する風潮が見られました。

グリセリンでニキビができる、実は嘘!?医学博士がウワサを検証
ニキビにはグリセリンフリー!ネットで拡散される情報を鵜呑みにしていませんか?ニキビの発生段階とアクネ菌の異常増殖、水溶性保湿成分、お肌の常在菌バランス、といった視点で医学博士が検証して行きます。

しかし、グリセリンのような常在菌のエサになる成分が、マイクロバイオームのバランスを保ちながら維持していくためには有効なのではないかと、個人的には思います。

私たちも、マイクロバイオームを意識した製品作りを目指していきたいと思う今日この頃です。

医学博士からのメッセージ:新・美肌習慣へ

今までは「特定の菌を退治する」ことが治療やケアの中心でした。

しかしこれからは、「菌の多様性を育て、バランスを整える」ことが美肌の鍵になります。

低刺激・弱酸性の洗顔料でやさしく洗う。
プレバイオティクス・プロバイオティクスを意識した成分を取り入れる。

あなたの肌に住む数兆個の「小さなパートナー」たちが喜ぶケアを、ぜひ今日から始めてみてください。


参考文献
Bella Pelle, 2024, Vol 9 (4), 250 – 281
皮膚科医のための香粧品入門 金原出版株式会社
ポーラ化成工業株式会社 ニュースリリース2022/12/8