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合成ポリマーにまつわる都市伝説

つぶやき

以前テーマにしました防腐剤や界面活性剤と同様に、世間の方々から大きな誤解をうけている合成ポリマー。

お肌に悪いと信じ込んでいる方も多いと思います。
しかし、真実は全く異なります。

合成ポリマーとは何?

合成ポリマーとは、化学的に合成された高分子化合物ということで、かなり広い範囲の物質を含めた分類となります。

その中には、多種多様な物質が含まれ、一部のシリコーンオイルやシリコーン樹脂、プラスチックや食品ラップ、ペットボトルのような合成樹脂、ポリエステルやアクリル、ナイロンのような合成繊維、合成ゴムやポリウレタンなども合成ポリマーです。

ペットボトルも合成ポリマーで作られています。

そして化粧品によく使われるカルボマーなどの水溶性ポリマーも合成ポリマーです。

合成ポリマーはよくウェブサイトや書籍などで悪者にされているようですが、主にこのカルボマーなどの水溶性ポリマーが悪者にされていることが多いようです。

水溶性ポリマーとはどんなもの?

よく合成ポリマーというと、毛穴を詰まらせる、皮膚呼吸を妨げる、お肌に付いて落ちない、などのイメージがあると思いますが、水溶性の合成ポリマーにはこのような性質はありません。

水溶性の合成ポリマーにも様々なものがありますが、一般的には天然の高分子(ポリマー)であるヒアルロン酸やキサンタンガム、ゼラチンなどと同じように水に溶けて高い粘度をもち、増粘剤やゲル化剤として用いられます。
その性質は、これらの天然高分子とほとんど同じで、毛穴を詰まらせたり、皮膚呼吸を妨げたり、お肌に貼り付いて落ちないということはありません。

ヒアルロン酸、ゼラチンのような天然高分子

カルボマーなどの水溶性合成ポリマーの多くは、微生物のエサになりません。
そのため腐りにくいのですが、防腐効果があるわけではないので、化粧品に水溶性の合成ポリマーが入っているからと言って腐らないわけではありません。
また、皮膚の常在菌に悪影響を与えるものでもありません。

皮膚に対して毒性や刺激もありませんので、化粧品に入っていても安心してお使いいただける成分です。

 

水溶性ポリマーは界面活性剤?

水溶性の合成ポリマーが界面活性剤だと思われている方も多いかもしれません。
一部の水溶性ポリマーは、油を水の中に分散させ、乳化することができます。
そういう意味では乳化剤なのですが、界面活性剤とは乳化するメカニズムが異なります。
合成ポリマーの場合は、高分子の網目構造の中に油滴がからまって分散され、乳化状態が維持されています。
一部の界面活性剤のように油分を奪うような働きはありません。

乳化作用をもった合成や天然のポリマーを使って、界面活性剤フリーのクリームを作ることも可能です。

 

また水溶性ポリマーは、その増粘効果によって、乳化を安定化する働きがあります。
そのため界面活性剤による乳化物が安定になり、分離しにくくなりますので、水溶性ポリマーを配合すると、化粧品の界面活性剤の使用量を減らすことができます。

水溶性ポリマーは肌にやさしい

界面活性剤を嫌う方には、実は水溶性ポリマーはとてもありがたい存在なのです。