モイスチャーマトリックスUVは、ウォーターベースだから、水に弱くて落ちやすいんでしょ?
西川君さ・・「落ちやすいけど、肌に優しくて使用感もイイから使って!」って言われて、使いたい?
うーん・・・ちょっと・・・(笑)
西川君、モイスチャーマトリックスUVは、肌への優しさやみずみずしさを残したまま、ある程度水に強くなるよう設計してあるんですよ・・・その仕組みを聞きたいですか?
それ、聞きたいですっ!
成分オタの中村(コスメコンシェルジュ)も興味津々、日焼け止めのマニアックな開発秘話を聞いてみました!
ウォーターベースなのに水にある程度強い秘密
日焼け止めの基本知識復習
日焼け止めの機能は、主に「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」を配合することで実現します。
オイルベース:水に強い/べたつく
「紫外線吸収剤」メインの日焼けどめは、吸収剤の多くが油性のため、オイルベースになることが多いです。
油分の中に、水性成分が分散されています。
ウォーターベース:水に弱い/さっぱり
モイスチャーマトリックスUVは、カプセル化した「紫外線吸収剤」と、「紫外線散乱剤」のバランスを追求した、さっぱりした使用感のウォーターベースです。
水分中に、油性成分が分散されています。
それぞれの特徴はこちらで解説→モイスチャーマトリックスUVは、ウォーターベース?オイルベース?
ウォーターベースのみずみずしさやお肌への優しさを維持したまま、耐水性を高めるために、試行錯誤を何度重ねたことか・・・♪
社長嬉しそう(笑) では説明頂きましょう!
紫外線散乱剤の「コーティング成分」による耐水性の違い
紫外線散乱剤を使った日焼け止めの場合、そのコーティング成分によって、耐水性が変わってきます。
シリカなどの親水性成分コーティング
ウォーターベースで使用されることが多く、さっぱりしている代わりに水に弱い印象です。
シリコーンや油性成分のコーティング
ウォーターベースでも分散に油分が多く含まれることが多く、またコーティング成分の働きで、肌に密着して落ちにくい(水に強い)ものが多いです。
なお、シリコーンコーティングは石けんでも落ちにくくなります。
耐水性が高いと、べたついたり石鹸で落ちない、耐水性が低いと、さっぱりしてるけど落ちやすい・・・あぁもうっ!
そこが開発者の腕の見せ所、やりがいを感じる部分なんですよ。
社長は困難が好きなタイプですよね。
ウォーターベースなのにある程度水に強くする方法とは?
使用している酸化チタン、酸化亜鉛は、アミノ酸系の界面活性剤でコーティングしていて、粉体側に界面活性剤の親水基、外側に疎水基がくるので油と同じ挙動をします。
それだと、水分の中に入れると分離してしまいますね。
そのため分散に油分が必要なのですが、入れ過ぎれば、オイルベースのようなべたつき(油性感)が出てしまいます。
そこで、できるだけ油性感の少ない油分:スクワランとジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールを配合しています。
しかも、そのコーティングにより肌への密着性も高めることができ、ウォーターベースでも水にある程度強くすることができました。
うわぁ、綱渡りみたいな調整からの、べたつき(油性感)を抑えつつ耐水性アップ!
シリコーンコーティングを使えばもっと簡単でしたが、密着性が高まり過ぎるため、敏感肌の方にも日常的に安心して使って頂けるよう、石鹸で落ちる設計にしました。
なお、シリコーンコーティングほどの強さはないので、「ある程度」水に強い、という表現にしています。
成分の選び方一つで、分散・使用感・落ちやすさ・耐水性・刺激・等、相互に影響するから、ベストバランスを探すのに時間がかかったんですね。
モイスチャーマトリックスUV
使用感や肌への優しさを追求し尽くした、使いやすい日焼け止めなので、日常生活での紫外線対策に使って頂きたいです。
光老化対策は、日差しが弱くなっていく秋以降も、一年中必要ですからね。
しかも、セラミド入で保湿ケアもできちゃいます!
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