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レチノールは低濃度じゃ意味ナシ?敏感肌が知るべきレチノール基礎のキソ

レチノール基礎のキソ成分徹底解説

こんにちは、ヒト型セラミド化粧品DSRの中村です。

お客様から「レチノール」についてお問い合わせをいただきますが、誤解されていることも多いです。

レチノールはシワやたるみ、シミやニキビなど、さまざまなお悩みに効果があると言われています。

その一方で、レチノールはシミの原因になるとか、皮膚を薄くするとか、肌に良くない、副作用が強い、といった噂もあるため、特に敏感肌の方は使用をためらう方も多いと感じます。

でも、レチノールのことをきちんと知って、無理せず上手にスキンケアに取り入れることで、気になるお肌の悩みにアプローチできるから、ほんと、使わなきゃソン!

皮むけが起きるような強いレチノールじゃなきゃ意味がない!と思っている方は、是非最後まで読んで下さいね。

この記事では、レチノールの種類とそれぞれの特徴を解説し、種類による効果の違いやその理由、さらに刺激の強さの違いが一目で分かるようにしました。

レチノール(ビタミンA)のお肌への効果

社長
社長

レチノールとはビタミンAの1種です。

西川
西川

え?レバーとかうなぎに含まれるビタミンA?

社長
社長

はい、ビタミンAをお肌に塗ると、お肌のターンオーバーを促進してくれるんですよ。

ターンオーバーを促進することで、表皮の下の真皮のコラーゲン産生を促すので、シワやたるみのケアにつながります。(レチノールによる小ジワ改善効果・効能が、2017年に厚生労働省から認められています。)

また、ターンオーバーを促進するということは、新しい表皮細胞を作り、古くなった細胞(角質細胞)がはがれていくので、表皮にあるシミや、ニキビ跡のケア、ニキビ自体のケアにもつながって行きます。

なお、お肌にビタミンAが不足すると、肌の潤いが不足したり、ハリがなくなる、小じわが目立つ、ニキビや吹き出物が出やすくなる等、様々なトラブルが出やすくなります。

ビタミンA(レチノイド)の種類

社長
社長

ビタミンA(レチノイド)は構造上、大きく3つに分けられます

ビタミンA(レチノイド)
1.レチノイン酸(ビタミンA酸)←医療分野
2.レチナール(ビタミンAアルデヒド)
3.レチノール(ビタミンAアルコール)←化粧品
レチノール化学式

美容皮膚科等、医療分野で使われているのは、レチノイン酸(トレチノイン)です。

化粧品などにも配合されているのは、レチノールで、レチノール誘導体の、酢酸レチノールや、パルミチン酸レチノールなどがよく知られています。

社長
社長

ただ、ビタミンAの種類によっては、その効果が強いものや弱いものがあり、また肌への刺激の強さも異なりますので、説明して参ります。

1.レチノイン酸(トレチノイン)

肌のターンオーバーを強く促進し、その効果はレチノールの100倍あると言われています。

一方で、赤みや乾燥を引き起こしたり、皮がむけたりして皮膚が薄くなる等の副作用も強く出やすくなります。

そのため、医薬品として分類されており、化粧品には配合できません。

一般的にはニキビの治療薬として、皮膚科などの病院で処方されています。

※日本のニキビ治療薬として認可されているアダパレンは、レチノイン酸類似物質です。

2.レチナール

レチノールの酸化されたものがレチナールであり、レチノイン酸(トレチノイン)の前駆体がレチナールです。

刺激や効果も、レチノイン酸(トレチノイン)とレチノールの間に位置しています。

3.レチノール

比較的刺激は少なく、医薬部外品/化粧品に配合されています。

お肌のターンオーバーを穏やかに促進するため、シワやニキビに効果的。

欠点としては、光や熱、空気によって酸化されやすく不安定で、光や熱などで分解されれば効果はなくなってしまいます。

※狭義でレチノールのことをビタミンAと呼ぶことがあります。

3-1.酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、リノール酸レチノール

これらは「レチノール」が他の成分と結合した、レチノール誘導体です。

光や熱などに対して安定で分解されにくく、レチノールの欠点を補ってくれます。

レチノールよりも肌に浸透しやすく、刺激も少ないため化粧品にもよく用いられています。

レチノールと同様、お肌のターンオーバーを穏やかに促進するため、シワやニキビのケアにおすすめです。

なお、「レチノール誘導体」については、以下記事をご参考下さい。

レチノール誘導体 ルミチン酸レチノール リノール酸レチノール
レチノール誘導体「リノール酸レチノール」と「パルミチン酸レチノール」って何が違うの? 

※DSRで使用しているビタミンA誘導体は、パルミチン酸レチノールとリノール酸レチノールです。

ビタミンAの種類によって効果が違う理由

ビタミンAは体内で様々に変化(代謝)しながら、効果を発揮しています。

レチノール代謝

レチノールは体内においてまず、レチノール誘導体の状態で貯蔵されます。

その一部がレチノールとなり、レチナール、レチノイン酸と変化した上で、効果を発揮します。

社長
社長

つまり、ビタミンAは最終的にレチノイン酸の形となって働くため、レチノイン酸に近いほど、効果が高い(活性が高い)のです。

レチノールの刺激の強さランキング

スキンケアをする男性

レチノールと言えば、「レチノイン反応」や「A反応」と呼ばれるように、その強い刺激による副作用を心配される方が多いと思います。

そこで、皮膚に対して「刺激の強い順」に並べると、

レチノイン酸(トレチノイン)

レチナール

レチノール



酢酸レチノール

パルミチン酸レチノール・リノール酸レチノール

となります。

刺激の強さは活性の高さと比例するんですね。

しかし、刺激があるとは言っても、使い続けるうちに刺激を感じなくなったり、濃度の低いものから使い始めることで、比較的刺激を感じずに使うこともできます。

レチノールでお肌がヒリヒリ?そうなる前に知って欲しい!レチノール化粧品の注意点と上手な使い方3つ 

強くて高濃度のレチノールじゃないとダメ?

お客様
お客様

レチノールは副作用が出るような強く高濃度のものを塗らないと、効果も弱いから意味ないですよね・・・でも敏感肌だし、私にはレチノールは無理だなぁ。

社長
社長

いえ、それは断じて違います!

活性の強い物を塗らないと意味がない、というわけではありません。

お肌にレチノールを入れれば、すべてレチノイン酸になるわけではないため、むしろ必要以上に高濃度のレチノールを塗る必要はないのです。

肌に存在するレチノールの割合

社長
社長

肌に合った強さのものをコツコツ取り入れて、お肌がビタミンAを必要としたときにちゃんと働けるよう、お肌にビタミンAをストックしておくことが美肌の秘訣です。

だから、敏感肌さんなら、刺激の比較的弱いレチノール誘導体(パルミチン酸レチノール・リノール酸レチノール等)を、低濃度で毎日塗ることをお勧めします。

そうすることで、副作用を最小限に抑えた上で、レチノールの美肌効果を十分に享受することができますよ。

社長
社長

レチノールを使ったスキンケアで、お肌のレベルアップを叶えてみてはいかがでしょうか。

次回は、実際にいただいたレチノールに関する噂について検証します。

【レチノールの噂】シミが増える?朝はダメ?医学博士が検証!
化粧品に配合される「レチノール」の噂について、医学博士が丁寧に解説。日中塗ると日焼けする?光毒性がある?シミが増える?いや、薄くなる?朝は塗っちゃだめ?紫外線防御効果がある?レチノールとレチノール誘導体との違いも含め、情報を整理します。