こんにちは、ヒト型セラミド化粧品DSRの中村です。
最近、グリセリンが苦手なお客様から、「これってグリセリンですか?」と、ご質問頂くことが増えてきました。
そこで、敏感肌を研究する医学博士の高岡の解説を掲載しましたので、「グリセリンフリー」の化粧品をお探しの方の参考になれば嬉しいです!
名称に「グリセリン」があればグリセリンの一種?
例えば、パルミチン酸レチノールはレチノールの一種ですよね。
では、ポリグリセリン-3等、名前に「グリセリン」等とついているものは、グリセリンの一種なのでしょうか?
グリセリンは比較的簡単な構造をした化学物質なので色々な他の物質を結合させて、全く別の物質を合成するということはよくあることです。合成によって、全く別の性質の物質になることもよくあります。
化学物質の構造などからの分類はありますが、
どこからどこまでが一種と言えるか、仲間と言えるかという明確な定義はないと思います。
この記事では、あくまで主観的に化学的な構造と性質、使用目的などから判断したことをお伝えします。
これってグリセリンの一種?
「ポリグリセリン-3」はグリセリンの一種?
ポリグリセリンは、グリセリンが3つくっついた構造で、グリセリンとは全く別の物質です。完全に同じ性質というわけではないのですが、「保湿」というよく似た性質なので、一応、グリセリンの一種といえるでしょう。
ただ、グリセリンほど「アクネ菌の餌」にならないと考えれます。
【研究調査】化粧品でアクネ菌が増える?|受託試験のサティス製薬
なお、この研究では、ポリグリセリン-3は入っていないのですが、グリセリンが2つくっついたジグリセリンがグリセリンほどアクネ菌の餌にならない、という結果が出ています。
そのことを踏まえると、ポリグリセリン-3は、ジグリセリンと同様に、もしくはそれ以上に、アクネ菌の餌になりにくいと推測できます。
「エチルヘキシルグリセリン」はグリセリンの一種?
化学構造上、名称に「グリセリン」という言葉が入っていますが、グリセリンそのものとは、全く異なる物質で、性状なども全く異なります。
グリセリンは保湿効果がありますが、エチルヘキシルグリセリンは抗菌効果があり、防腐剤の補助などの目的で微量を配合されます。
つまり、アクネ菌の餌にはなりません。
「ステアリン酸グリセリル」はグリセリンの一種?
グリセリンにステアリン酸が結合したもので、非イオン界面活性剤です。
グリセリンとは全く異なる物質で、異なる性状を持っています。
その他、〇〇酸グリセリル、〇〇酸ポリグリセリルなども、グリセリンとは全く別物で、界面活性剤の一種です。
「トリグリセリド」はグリセリンの一種?
植物油の主成分や、皮脂の構成成分の1つであるトリグリセリドは、グリセリンに脂肪酸が3つ結合したものです。
グリセリンの一種ではなく、「油脂」の一種です。
なお、油脂ですのでアクネ菌のエサになります。
なお、トリグリセリドは皮膚上で分解されて脂肪酸とグリセリンが生成されます。グリセリンがお肌に合わない方は、念のためご注意ください。
グリセリンと紛らわしい成分名まとめ
「グリセリン」「グリセリド」「グリセリル」と、紛らわしいですが、いかがでしたでしょうか?
グリセリンと紛らわしい成分名
- ポリグリセリンー3
グリセリンの一種
アクネ菌のエサになりにくいと推測 - エチルヘキシルグリセリン
グリセリンではない(抗菌剤)
アクネ菌のエサにならない - ステアリン酸グリセリル
グリセリンではない(界面活性剤)
アクネ菌のエサにならない - トリグリセリド
グリセリンではない(油脂の一種)
アクネ菌のエサになる
そうです、アクネ菌は皮膚の常在菌で異常に増殖しないかぎり、悪いことをする菌ではありません。
アクネ菌の餌になることと、ニキビになることはイコールではないことも、心に留めて頂ければと思います。
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