この記事では、お肌に大切なビタミンDについて、特に紫外線や日焼け止めとの関係について詳しく解説し、ビタミンD摂取時の注意点もご紹介していきます。
お肌に大切なビタミンDとは
ビタミンDの効能
皮膚では、細胞の分裂をサポートし、メラニン色素の沈着を防止し、コラーゲンの合成を促進します。また、血管壁の強化し、お肌を丈夫にしてくれます。
不足すると、シミやそばかすを助長することがあり、極端に欠乏すると皮下出血(壊血症)を起こします。
体では、カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にし、筋力を高めますので、欠乏すると骨粗しょう症などを招きます。また、免疫機能を調節する働きがあります。
ビタミンDは不足しがち~紫外線との関係~
一般的に、ビタミンDは食事からの摂取と、体内での合成で賄われています。
ビタミンDの合成には紫外線B波が必要なため、室内にいる場合や、紫外線B波の少なくなる冬は、体内での合成が不足しがちです。
そもそも、日本人の栄養状態として、約90%の人がビタミンDが不足~欠乏していると言われています。
ビタミンD合成のため、日焼け止めはしない方がいい?
日焼け止めをしないリスクの方が甚大!
実際、日焼け止めで紫外線をカットすることでは、ビタミンDの栄養状態にはあまり影響しないと、フォトダーマトロジー学会 学術大会で発表がありました。
一方、日焼け止めを使用しないで、紫外線を浴びるリスクはとても大きいです。
何より、現れてしまったシミシワたるみをなくすのには、日焼け止め代よりもはるかにお金と時間がかかります!
ビタミンDは食事で十分摂れていればOK
たくさん紫外線を浴びたからといって、たくさんビタミンDができるわけではありません。
日光浴でビタミンDをたくさん作ろうと頑張るより、食事やサプリメントで経口摂取したほうが、効率よくビタミンDを増やせます。
食事から十分なビタミンDが取れているなら、さらに紫外線を浴びる必要はありません。
ビタミンDを食品やサプリメントで補う
成人は男女共に、1日8.5μgのビタミンD摂取が推奨されています。
しかし厚生労働省の調査によると、日本人の多くが1日の摂取目安量を達成できていません。
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)
ビタミンDを多く含んでいる食品
魚類、きのこ類などに多く含まれていますが、野菜や穀物、イモ類にはほとんど含まれていません。
また、ビタミンDは脂溶性(油に溶ける性質)なので、脂質を含む動物性食品からの方が吸収しやすいです。しかし、きのこ類でも、炒め物や揚げ物にして油とともに摂取することで吸収率を上げることができます。
ビタミンDの過剰摂取に注意!
ビタミンDは水溶性ではないので、尿として体内に排出されません。過剰に摂取した分は蓄積されてしまうため、注意が必要です。
ビタミンDの過剰摂取は、消化器官の不調や骨組織の異常、腎不全などの健康被害を招くことがあり、成人では1日100μg以上の摂取で健康への悪影響のリスクが高まると言われています。
サプリメントによる過剰摂取に要注意!
特に過剰摂取に注意すべきなのは、サプリメントによる摂取時です。
簡単に100μg以上摂取出来てしまうので、プリメントに記載されている使用量をきちんと守ることが大切です。
ビタミンDのサプリメントを服用する場合は、事前に医師など医療従事者へ相談することもご検討下さい。
通常の食事で過剰摂取はおきにくい
紫外線をどんなに浴びても過剰摂取は起きない
なお、ビタミンD合成のためには、通常15分程度の日光浴で十分だと言われています。
ただし地域や季節、天候によってもUVBの量に差があります。北の地域にお住まいのかたや、天気が悪い日などはUVBの量が少ないことを覚えておいてくださいね!
雪は紫外線B波の反射率が高いから、雪が積もっている場合は、雪のない日よりも浴びる紫外線量は多いわよ!
晴れの日に長時間雪かきするなら、ビタミンDの心配よりも、絶対に日焼け止めを塗ってね!
ビタミンDと紫外線まとめ
ビタミンDはお肌に大切なビタミンですが、日本人は不足気味。
食品から摂取する他、紫外線B波を浴びることで体内でも合成されるため、冬は特に不足しがちです。
しかし、紫外線によるお肌への悪影響はとても大きいので、紫外線対策は手加減せずにしっかりとしてください。
不足が気になる場合は、食品やサプリでの摂取がおススメです。サプリの場合は、過剰摂取にご注意下さい。
*第5回 日本フォトダーマトロジー学会 学術大会での発表を参考にしています。
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