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本当にお肌に悪い?濡れ衣?「嫌われ成分」9個を医学博士が解説

成分徹底解説
中村
中村

お肌に悪そう!って避けてる成分ある?

お客様
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グリセリンはダメ、ニキビになるから!

お客様
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酸化亜鉛は毛穴がつまりそうで嫌い

お客様
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敏感肌だからアルコールは徹底的に避けてる

それって、ホント?

敏感肌を研究し続ける医学博士に、その真偽を詳しく聞いてみました!

*定番の嫌われ成分「防腐剤・界面活性剤・シリコーン」以外で、嫌いな成分は何か、インスタグラムでアンケートを取りました。

嫌われ成分TOP3:ホントに肌に悪い?

グリセリン:ニキビになる?

多価アルコールの一種で、水溶性の保湿成分。
溶剤や温感付与のために使われることも。
医学博士
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グリセリンは特に安全性に問題のある成分ではありません。
安心して使用して大丈夫なものです。

ニキビの原因になると勘違いされている傾向にあるように思いますが、「グリセリン=ニキビになる」という直接の関係はありません。ですからそういうことを理由に避ける必要はありません。

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医学博士
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一方で、グリセリンがお肌に合わないという方もまれにですがいらっしゃいます。

また、グリセリンは高濃度では熱を感じたり、べたべたしたテクスチャーが嫌な場合もありますので、そういう方の場合にはグリセリンフリーのものを選ぶこともお勧めです。

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酸化亜鉛:毛穴に詰る?

ミネラルの一種で、紫外線散乱剤として使われることが多い。また強力な抗炎症効果があることから、「亜鉛化軟膏」など医薬品としても使われています。

酸化亜鉛は安全性に問題のある成分ではありません。紫外線散乱剤としては優秀で、特に紫外線A波の防御性能も高いのが特徴です。

コーティング剤によってはクレンジングや洗顔で落ちにくいこともありますが、一般的には毛穴に詰まるといったことはありません。

金属アレルギーの中では、ごくまれに亜鉛アレルギーの方がいらっしゃいますが、そういう方の場合は避けたほうが良いのですが、そうでなければ避ける必要はありません。

アルコール:エタノールは怖い?

化粧品業界では、アルコールはエタノールのことを指すことがほとんどです。
エタノールには様々な用途があります。収れん作用や清涼感をだしたり、溶剤として使われています。
医学博士
医学博士

エタノールは、お肌に刺激を感じる方が比較的多いように思いますので、敏感肌の方は気を付けた方が良いでしょう。

私自身も、消毒の際に使用するエタノールは特に問題ないのですが、化粧品に配合されているエタノールでは刺激を感じてしまうことがあります。そのためシェルシュールでは使用していません。

なお、刺激を感じない方は使用しても問題ありません。

まだまだある!嫌われ成分のホントのところ

鉱物油:なんか悪そう?

鉱物油は石油由来の油の総称です。化粧品では、ミネラルオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、など。肌に吸収されにくく肌表面にとどまるため、水分蒸発を防いだり保護したりすることができます。

鉱物油は安全性に優れ、メイクやスキンケアなど幅広く使用されており、塗り薬やパッチテストの基剤としても使われていますが、昔の悪いイメージが残っているのかもしれません。

というのも、鉱物油は過去に、不純物が多く含まれた精製度の低い鉱物油で、実際にお肌にトラブルを起こして問題になったからです。

医学博士
医学博士

しかし、最近の鉱物油は精製度が高く安全性も非常に高く、不純物はほとんど含まれていないため、安心して使って問題ありません。

ラウレス硫酸Na:ラウリル硫酸Naじゃないけど

アニオン性界面活性剤の1種。
油に対して洗浄力が強い点が特徴。

よく混同される「ラウリル硫酸Na」は化学実験でタンパク質の変性に使用されることもあり、刺激性も高いので使用は避けていただくほうが良いと思います。

「ラウレス硫酸Na」は名前がとても似ているのですが、少し化学構造が異なり、刺激性はラウリル硫酸Naに比べるとかなり低くなります。シャンプーにはよく使用されています。

ただし、洗浄力はけっこう高いので、敏感肌の方は使用に気を付けていただくと良いと思います。

・ラウリル硫酸Na
刺激が強く、避けるべし!
・ラウレス硫酸Na
比較的刺激が低い。ただ、洗浄力は高めなので、敏感肌の方は気を付けて!

DPG:???

多価アルコールの一種で、水溶性の保湿成分です。穏やかな保湿力で、べたつきが少ないのが特徴。防腐補助としても使われることがあります。
医学博士
医学博士

DPGが嫌われる理由がよくわかりません。ほとんど気にせず使ってもらって良いと思います。

多価アルコールは「アルコール=エタノール」とは全く別の性質なので、心配はいりません

紫外線吸収剤:日焼け止めを塗ると肌が荒れる?

紫外線を吸収して、熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出することで、紫外線がお肌に届かないようにする成分。

紫外線吸収剤は一般的には刺激性など肌への負担があるため、敏感肌の場合はできるだけ避けたほうが良いと思います。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い

しかし、刺激性の低い紫外線散乱剤だけでSPF値の高い日焼け止めを作ろうとすると、白浮きが強く使用感も悪くなるため、紫外線吸収剤をカプセルなどに封入して直接肌に触れないようにして刺激性を回避し、両方で補完しながら使用するのが理想的です。

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また、紫外線吸収剤は、油性成分が多いので、油分が苦手な方は注意が必要です。

日焼け止め成分:珊瑚に害がある?

サンゴ礁

ハワイで2021年1月1日より、紫外線吸収剤の「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」がサンゴ礁に有害し、それらを含む日焼け止めの販売と流通が禁止されました。

サンゴへの影響はまだ議論の余地があるのだろうと思います。まだまだこれからの問題だと思うので、様子を見ていく必要があるでしょうね。

花王のサイトでは、「一方で、サンゴの成育阻害や白化の主な要因は、気候変動の影響による海水温の上昇や海洋の酸性化などと考えられています。紫外線防止成分のサンゴ礁への影響については研究者の間で議論と研究が継続されています。」と記載されています。
花王 | オクチノキサート

PEG(ポリエチレングリコール):発がん性?

cancer

PEGはポリエチレングリコールのことで、色々な分子量のものがあり、化粧品では高分子量のものは親水性の増粘成分として使われます。医薬品においては軟膏の基剤などにも使われます。

その合成には一級発がん性物質「エチレンオキサイド」が添加されるため、合成された界面活性剤にも残留しているから、PEG系界面活性剤は危険性が高いと考える方もいらっしゃると思います。

どれくらいのエチレンオキサイドがPEG系界面活性剤の製造過程で残留するのかは、原料メーカーで規格値があるので、その規格値が安全性に問題のある含有量であるのかどうかを調べることができます。

例えば、フェノキシエタノールにも安全性に問題のあるフェノールが製造過程で残留されています。各メーカーはその残留フェノールの含有量を規格値でもっています。私ども化粧品の製造メーカーはその規格値をみて安全性を判断しています。

低分子のものは安全性に懸念もあるようですが、高分子のものは安全性に問題はありません。

PEG系界面活性剤

PEGに脂質などの疎水性物質を結合させて作られた界面活性剤。さまざまな種類がある。いずれも安全性の高いものが多い。

PEGは界面活性剤の合成過程でかなり精製されるので、残留のエチレンオキサイドはほとんどなくなっていると考えて良いと思います。

結論としては、発がん性を恐れてPEG系界面活性剤を避ける必要はないと考えて良いと思います。

嫌われ成分、真偽まとめ!

医学博士
医学博士

敏感肌を研究する医学博士として「確かにその成分は避けて欲しい!」と思ったのは、9成分中3つだけでした。

避けるべき「嫌われ成分」は?

▶ グリセリン
ニキビができやすいは嘘!

▶ 酸化亜鉛
毛穴に詰りやすいことはない

▶ アルコール(エタノール)
確かに避けて欲しい!
敏感肌の方は気を付けて!

▶ 鉱物油
安全な成分、昔のイメージを引きずってるだけ

▶ ラウレス硫酸Na
確かに避けて欲しい!
ラウリル硫酸Naと混同されがちだが、比較的刺激は低い。ただ、洗浄力は高めなので敏感肌の方は気を付けて!

▶ DPG
嫌われる理由が分かりません

▶ 紫外線吸収剤
確かに避けて欲しい!
敏感肌の場合は、カプセル化など工夫されているものを意識して選んでみて

▶ 日焼け止め成分
サンゴへの影響はまだ議論の余地アリ

▶ PEG系界面活性剤
発がん性を恐れて避ける必要はない

他にも敏感肌の方に避けて欲しい成分はありますので、よろしければこちらの記事も参考にして頂ければ幸いです。

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