
そんなお問い合わせを頂くことが増えましたので、今回じっくりご説明したいと思います。
結論から申し上げると、アゼライン酸にピーリング効果はありません。
アゼライン酸の持つ「角化抑制効果」が誤解を招いているかもしれませんので、その点を深く掘り下げていきます。
監修20年以上敏感肌を専門に研究し続け、シェルシュール商品の開発・製造を担当。医学博士。
もくじ
アゼライン酸の効果
以下のような効果が認められており、海外では30年以上も前からニキビ治療に用いられています。
- 抗菌性 ニキビの発症に関係するアクネ菌が減少し、低pH環境では抗菌性を発揮
- 角化抑制 角化細胞の分化に影響を与えて角化を抑制
- 抗炎症性 UVBにより生じた炎症性サイトカインを減少
- 色素沈着抑制 チロシナーゼ活性阻害作用で炎症後色素沈着を抑制
- 皮脂分泌抑制 5αリダクターゼ活性を阻害して皮脂分泌を抑制
アゼライン酸の効果については、こちらの記事に詳しく書いています。

アゼライン酸の角化抑制効果
角化とは
基底細胞→有棘細胞→顆粒細胞→角化細胞と分化、成熟しながら上層へ移動し、角質層を形成する過程を「角化」と言います。

角化異常(過剰タイプ)ニキビ等
角化が過剰に進むと、角層が過剰に作られたり、角化細胞がうまくはがれなくなることがあります。
その結果、ごわついたり、角質肥厚が起こったり、毛穴の出口がふさがる等し、ニキビ等の原因となります。

アゼライン酸が過剰な角化を抑制
アゼライン酸は「角層が過剰に作られる」ことを抑制すると考えられています。
専門的な説明になりますが、アゼライン酸により、角化細胞のトノフィラメントの数や厚み、ケラトヒアリン顆粒の数が減少するとの報告があります。
ケラチン前駆体の合成を抑制することで、角化細胞の分化に影響を与え、角化を抑制すると考えれらています。


皮膚が薄い・ビニール肌はアゼライン酸を避けよう
同じ角化異常でも、角化が未熟なタイプは、アゼライン酸は控えた方がいいですね。


まとめ:アゼライン酸にピーリング効果はない
角質を除去することで、分厚くなった角質層を薄くするのがピーリング。
一方、角化の仕組みに働きかけ、角質層が分厚くなり過ぎるのを防ぐのがアゼライン酸。
アゼライン酸には、角質を除去する効果はなく、ピーリング効果はありません。



LINEでも受け付けております!
←QRコードで友だち追加できます!