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敏感肌は避けるべき?ホントにお肌に悪い?界面活性剤の皮膚への影響

スキンケア講座

化粧品の成分の中で界面活性剤ほど一般消費者の方から嫌われているものはないのではないでしょうか。でも、本当にそんなにお肌に悪いのでしょうか?意外に界面活性剤のことを誤解しているかもしれません。

◇界面活性剤がお肌のバリアを壊す?

界面活性剤はお肌のバリアを壊すものだと思っている方は多いと思いますが、バリアを壊すのは一部の界面活性剤です。
界面活性剤には様々な種類があり、その化学構造や性質は千差万別です。
その用途も洗浄、乳化、可溶化、分散、起泡、消泡、殺菌など多岐にわたっています。
その中でもお肌のバリアを壊すのは主に洗浄に用いられる界面活性剤(洗浄剤)です。

お肌の上にはメイクなどの化粧品や皮脂、古い角質、分泌された老廃物などの汚れがあり、それを洗い流すのが洗浄剤の役割です。
石けんや合成の洗浄剤は、これらの油脂、タンパク質、紛体などの汚れを落とす力が強く、ときとしてお肌のバリア成分(角質層のセラミドなど)を溶出してしまいます。そのためお肌のバリアが壊れてしまうのです。

特にメイクをしていて、クレンジングと洗顔のいわゆるダブル洗顔をしている方は要注意です。使用しているクレンジング剤や洗顔料によっては、お肌のバリアがかなり破壊されているかもしれません。

私がお勧めするのは、洗顔かクレンジング、どちらか1度で済ませること。こうすることでお肌のバリア破壊が最小限に抑えられます。
クレンジングだけで済ませる場合は必ず洗顔もできるクレンジング剤を使うことがポイントです。汚れを残してしまってはお肌への負担が増えてしまい、老化や肌荒れの原因となってしまいます。
また、ミネラルメイクには石けんだけで落とせるものがありますので、そちらを使えばクレンジングが必要なくなり、お肌のバリアの破壊を抑えることができるので、お肌の弱い方にはお勧めです。

一方、界面活性剤はお肌のバリアを壊すものばかりではありません。

◇クリームなどに配合している界面活性剤はお肌に悪い?

乳化に用いられるものは脱脂力が弱く、洗浄力がないので、ほとんどバリアを壊しません。
また乳液やクリームには予め油分とペアリングされて配合されているので、それ以上油分をお肌から奪うことができません。

ですから乳液やクリームに入っている界面活性剤はあまり気にしなくても大丈夫です。

さらにセラミドというバリア成分は、化粧品に配合する際、ある種の界面活性剤が必要で、それがなければバリア構造(層状のラメラ構造)を形成することができないのです。バリアを作る界面活性剤があるというのは初耳ではありませんか?

◇界面活性剤は分解されずにお肌に蓄積される?

合成界面活性剤は分解されずにお肌に残ってバリアを壊し続けると思っていらっしゃる方も多いかと思います。
大昔の合成界面活性剤には生分解性の悪いものがあり、環境的に問題がありました。

しかし、現在化粧品で使用されている界面活性剤は生分解性のあるものがほとんどです。
特に油性成分と水溶性成分とがエステル結合したものは、一般的に化粧品によく使われますが、これはお肌の上の酵素で容易に分解されます。

◇界面活性剤は経皮毒?

経皮毒の是非はさておき、経皮毒の論点は界面活性剤そのものの毒性よりも、界面活性剤によって様々な物質が体内に入ってしまうことが問題であるとされているように思います。

皮膚からは物質は吸収されにくいのですが、水溶性成分よりは油性成分の方が吸収されやすく、ビタミンCなどの水溶性の有効成分を化学的に加工して油溶性の誘導体にすることで吸収性が高められている例があります。
また粘膜や毛穴からは比較的吸収されやすいとされています。

その他、リポソームを用いるなど、化粧品の有効成分をいかにして皮膚内部に浸透させるかは化粧品の課題でもあり、何も界面活性剤に限ったことではありません。

もちろん、洗浄剤によってお肌のバリアが壊れている状態であれば、比較的様々な物質が浸透しやすくなるのは事実です。
ですから、できるだけバリアが壊れないようにすることは大切です。

◇肌バリアを守るには?

日々の洗顔などで、お肌のバリアが少なからず失われてしまいます。
しかし、洗浄せずに汚れを放置することは美容にとってお勧めできることではありません。

ですので、洗顔料やクレンジングなどはバリア機能を壊しにくいものを選ぶこと、
そして、洗浄によってお肌のバリアが弱まることを意識して、洗浄後にセラミドを補うなどのスキンケアをしっかりすることが重要なのです。

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